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Google Voice番号を取得した感想とか。

日本からだと相当めんどくさそう。特に、認証まわり。

しばらくアメリカで生活することにした。
何をしようか、ここでしかできないことってなんだろうと考えて、とりあえずGoogle Voiceの番号でも取ろう、という結論に至った(おかしい)。

まず、Google Voiceに対する自分の認識をつらつらと書いておく。それから、自分が実際に踏んだ手順と、感想みたいなものをちょろっと。

Google Voiceというのは、Googleが提供する電話の転送サービス。米国内限定。
本サービスを介して、アメリカの電話番号(Google Voice番号)をひとつ取得できる。それから、自分の持っている固定電話や携帯電話の番号をGoogleアカウントに登録しておく。すると、Google Voice番号にかかってきた電話を、登録した電話宛に転送することができる。
つまり、Google Voice番号というものは、いわば宙に浮いた番号。特定の端末に紐付けられたものではなくて、相手からかかってきた電話を自分の電話機に転送するための仲介として存在している。

このサービスの魅力は、転送先が柔軟に設定できること。例えば、この人からの電話は仕事用の携帯に転送するだとか、夜は固定電話だけ鳴らすとか。あるいは、常にすべての電話を鳴らす設定にもできる。
さらにメリットとして、連絡先として相手に教える番号がGoogle Voice番号だけで済む。例えば、生活の過程で携帯電話を新しく購入したとしても、その電話番号は他の人に教える必要はない。新たに取得した番号をGoogle Voiceの転送設定に加えておくだけで、誰にも番号を教えることなく、新しい携帯で着信できる。仕事用の電話番号はこれで、固定電話の番号はこれ、携帯はまた違う番号だから登録しておいて、というやりとりをしなくて済む。
あまりに発想が未来的(Google Voice自体は2009年から存在しているが)というか、馴染みがなさすぎて理解に時間がかかったけど、かなり強力なサービスだと思う。でも、自分はこの機能は使わないつもり。Google Voice番号には、もうひとつの活用法がある。


ハングアウトを使って、宙に浮いた番号であるGoogle Voice番号を、スマホ等から発着信やSMSに使うことができる。ハングアウトというのは、Googleアカウント、あるいはGmailアドレスを使ってチャットや通話ができるサービス。平たく言うと、Google版のLINE。

このアプリから、取得したGoogle Voice番号を使って固定/携帯電話との通話やSMSが行える。スマホで言うなら、(普通の)電話アプリとSMS(あるいはメッセージ)アプリ、それからLINE等のチャット/無料通話アプリが、ハングアウト( iOS / Android )というひとつのアプリにまとまるという感じ。Androidの場合は、 ハングアウトダイヤル というアプリを追加でインストールすることで、ハングアウトアプリにGoogle Voice機能が統合される。
ちょっとややこしいのは、"アプリユーザ同士の無料通話"と、"アプリと(普通の)電話間での通話"の2種類が存在すること。このあたりは、LINEの無料通話機能と LINE Out との関係に近い(ややこしさも含めて)。

自分の場合はNexus5(スマホ)とiPad Proの両方にハングアウトのアプリをインストールしているので、好きな端末から同じGoogle Voice番号を使って発信ができる。着信時も同様に、両方の端末が同時に鳴る(片方で通話を開始すると他方も黙る)。もちろんチャットの内容も両端末で同期される。あとは、パソコンのブラウザのGmailの画面からも同様に、チャットや発着信等が行える。この複数端末での利用が当たり前のようにできるから、個人的にはLINEよりもハングアウトのほうが使い勝手がいい。


つまり、Google Voice番号を取得しておけば、ネットさえ繋がれば(LTEでもWi-Fiでも構わない)、スマホやパソコン等から電話番号を使った通話やSMSができるということ。便利。

Google Voiceを使った発着信の通話料およびSMSの送受信は、米国/カナダでは無料。その他は国によって異なる。日本に対しての通話は有料だけれど、 アホみたいに安い (Google Voice → 日本の携帯への発信で 9セント/分)。ただしGoogleアカウントへの事前チャージが必要。いまのところ自分は使う予定がないので詳細は割愛するけれど、この格安通話はGoogle Voice番号を取得せずとも日本国内から利用可能(ただし、相手には番号非通知と表示される。表示させる方法もありそう)。

ところで、日本とは違って、アメリカでは通話時に双方に料金がかかることが多いので注意が必要。どうやら、アメリカの携帯電話は基本的に通話やSMSが無制限なプランらしい。多くの日本人の感覚とは違って、SMSをLINEのようなチャット代わりによく使っている様子。
Google Voice番号とハングアウトアプリを活用することで、(音声通話付きの、普通の)携帯電話を契約せずとも、データ回線やWi-Fi環境さえあれば、少なくとも米国内では無料で緊急通話を除いた発着信とSMSが無制限に使える。すげえ。


こんな感じで、とりあえずGoogle Voice番号を取得して悪いことはないと判断(ここまでが長い)。
日本語で書かれたGoogle Voice関連のブログは基本的に日本国内からの番号取得を目指しているものがほとんどなので、VPNを使った方法が散見される。幸いにも自分はアメリカにいるから、VPNでごちゃごちゃする必要もなくスムーズに取得できそう、と期待して作業開始。

基本的には ここに書かれている手順 に従えばよく、Google Voice にアクセス、ログインし、転送先電話番号を設定してから、Google Voice番号を選んで取得。それから必要に応じて転送設定を調整したり、Google Voice番号をハングアウトに紐付けたりすれば完了。

簡単ですね。ちなみに自分は思いっきりハマりました。
というのは、Google Voiceを電話転送目的で使うか否かに関わらず、途中で必ず転送先電話番号を設定する必要があったため。既存の携帯電話、あるいは固定電話を使って認証コードを受け取り、画面に入力しないといけない。電話番号を取得するために電話番号が必要、というジレンマ。


手段としてまず浮かんだのは、米国のIP電話番号を取得するアプリを使うこと。いわゆるHeyWireだとかTextFreeだとか、そのあたり。LINEの電話番号認証を突破するために使う、5年くらい前(!)に流行ったネタを思い出して、とりあえず試してみた。ダメでした。
見た感じ認証が通ったように見えるけど、実際にはうまくいってなくて、電話番号を選ぶ画面で "There was an error with your request. Please try again." というエラーが出た。2015年には Pinger(TextFree)で成功した方 がいるようですが、対策されている様子。残念。

では、次はどうしようか。おとなしくプリペイドSIMの購入を検討した。
T-mobileというアメリカの通信キャリアには、 Pay As You Go という、使った分だけ支払うプリペイドプランがある。他のキャリアにもあるかも。そんなに詳しくない。ちなみに後日書き残す予定だけど、T-mobileには 10ドルで5GB使えて150日有効、というアホみたいに安いApple SIMのデータプランでお世話になっている。
とにかく、このプランだとSIM代等の初期費用が10ドルくらい、月額が3ドル(+使用分)らしく、とりあえず認証突破用に使うには悪くない。むしろ安い。…とは思ったのだけれど、結局めんどくさくてやめた。どうやら公式オンラインショップからSIMを買うのが割安らしいとわかったのだけれど、届くまで待たないといけないし、確実に認証が突破できそうとはいえ、100%の保証はないし。実店舗で購入した場合は、定価だったら25ドルかかるので、その予算は食費に回したいなあ、と思った。ただし、後述の手段が思いつかなかったら買うつもりではあった。正式な電話番号なので、認証は通るはず。


最終的に、住んでるところに固定電話があることを思い出した。あっさり認証突破。ただし、ひとつの電話番号で複数のGoogleアカウントからGoogle Voice番号を取得できるかは不明なので、今度試す予定。

しょーもないオチだったけれど、とにかくGoogle Voice番号を取得できて嬉しい。電話番号を持っていて困ることはないと思うので、数ヶ月以上滞在する場合はとりあえず取得しておけばいいんじゃなかろうか。もっとも、十分な予算があるならフツーにスマホプランを契約するのが楽なのは間違いない。
自分の場合は住居と大学にそれなりに使えるWi-Fi環境があり、モバイル通信への依存度はそれほど大きくなかった。最低限使えるモバイル環境と、書面に書くために保持しておく電話番号があれば問題ないと思ったので、今回の手段を試した。というのが建前で、通信費をなるべく安く上げる方法を見つけたかった。趣味の一環、大事。

ところで、 アメリカ版の0SIMのようなもの を見つけた。とりあえず契約した。SIM2枚で初期費用1ドル(送料込)、最低維持費は月額0円らしい、ただしトラップ満載。まだ届いてないけど、怪しさ満点でワクワクしている。
ちなみにこのFreedomPopでもらえる電話番号ではGoogle Voiceの認証が突破できた、という記述をどこかのフォーラムで見かけた(ような気がする)ので、それも試してみたい。


◆170917: 追記