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なぜ自分はiPhoneと気が合わないのか。

前から気にはなっていたのだけれど、せっかくなのできちんと向き合ってみることにした。

僕はiPhoneユーザではない。現在の愛機は、2013年10月に発売されたNexus 5。入手したのが2年ほど前なこともあって意識していなかったけれど、もうすぐ4年落ちになる。電子機器、特にスマホはサイクルが早い。とはいえ、最近は多少落ち着いてきているように思う。

で、iPhone。実は、全く使ったことがないというわけではなくて、過去の使用歴は大きく分けて3回。まず、仲のいい人から借りたSIMフリーモデルのiPhone 3GSを2週間程度。これはNexus 5を入手する前のことなので、2015年5月あたり。次に、Amazonから中古で買った白いiPhone 5cを数週間。これは2016年の9月。docomo版を注文したのにSoftbank版が届いたので、手放してしまった。それから、つい先日 ebayで購入して返品手続きをした、Verizon版のiPhone 5c。白のはずが青が届いたり、コンディションが良好と謳いつつも実際には画面浮きがあったりと、ツッコミどころ満載だった。返金はスムーズだったのが幸い。

こうやって振り返ってみると、数世代遅れで短期間試し、すぐに手放していることがわかる。なぜ自分はこんなにもiPhoneと気が合わないのか。理由がふたつ浮かんだ。


まず、iOSそのものが苦手であること。初っ端からどうしようもない

自分にとって初めてのスマホ的なものは、iPod touch 4thだった。初めてカメラが載ったモデル。3.5インチで手のひらに収まるサイズ感が素晴らしい名機。あの大きさに最近のスペックを押し込んだら、ある程度の人気が出そう。普通に数年間使った後に、脱獄の存在を知って、試して、かなり遊んだ端末。今の自分の基礎がここで培われている気がする。

このことが仇になって、脱獄環境でないiOSにすっかり満足できなくなってしまった。たとえば、ホーム画面にアイコンを並べないといけないことや、ジェスチャー操作ができないことに不満を感じる。iOSはSpotlightからアプリ名を検索して起動できるので、個人的には必ずしも全てのアイコンをホームに並べる必要はないと思っていて、いらないアイコンは非表示に出来たほうが、スッキリしていていいと思う。
ジェスチャー操作に関しては、ActivatorというTweakを愛用していて、"ステータスバーの長押しで画面の消灯"だとか、iPadのように"複数指でピンチインしたらホーム画面を表示"だとか、とにかくいろいろ割り当てていた。Activatorさえ使えれば、入獄状態のiOSでも妥協できる気がする。

現在はiPad Pro 9.7を使っているけれど、これはあくまでiOSじゃなくてApple Pencilの魅力に惹かれただけ。同じ精度で使えるAndroidタブレットがあればそっちのほうがよい。ただ、スタイラスの精度は実機を触らないとわかりづらいし、仮に1024段階の圧力認識を謳っていたとしても、実際の書き心地もよいとは限らない。そう考えると、時間をかけて選ぶよりも、OSを妥協して最高レベルのスタイラスを積んでるとわかってるものを買った方がいいと判断して購入した。実際、iPad Proをしばらく使って感じる不満点はiOSまわりの違和感(と、後述のテザリングまわりの仕様)だけ。ハードウェア面では、かなり満足している。


ふたつめの理由。テザリングまわりの制限がなにかと厳しいこと。

意図がよくわからないのだけれど、iPhoneはBluetoothテザリングの子機になることができない。iPod touchやiPadでは問題なく接続できる。そもそもiPhoneはSIMカードがない状態では初期設定さえさせてもらえないので、iPhoneはSIMを入れて使うことが前提ということなんだろうか。
頻繁に使うかどうかは別にしても、iPhoneがBluetoothテザリングの子機になれたら、個人的にはかなり重宝する場面があると思う。ところで、Bluetoothテザリングの子機って書く代わりになるいい表記ないかな、長い。

Bluetoothテザリングが使えれば、Zenfone MaxシリーズやらXiaomi機やら、安くてバッテリーもちの良いSIMフリーのAndroidスマホをテザリングの親機としてカバンにしまって iPhoneを子機として使う、などということができる。海外とかで特に役立ちそう。Wi-Fiテザリングでも同じことはできるけど、バッテリーもちが全然違うので、実用性に大きく差が出る。BluetoothテザリングはWi-Fiテザリングと比べて速度が劣るとはいうものの、自分の普段使いでは不満に感じることはない。

現状この使い方はできないので、1回線しか持っていない複数端末持ちにとっては、SIMロックがかかったiPhoneはどうしようもなく使い勝手が悪い。使う使わないは別にしても、"使うことができる"というだけで、いろいろと空想が捗って楽しい。たぶん、タッチ操作ができるノートパソコンや、セルラー版のiPadとかと同じ類。

それから、SIMが入るiOS機全体にかかっている制限として、モバイル回線以外を使ってテザリングすることができない。Android機では、接続しているWi-Fi回線を使ってBluetoothテザリングの親機になることができる。また、Galaxyあたりの一部機種では、Wi-Fi回線を使ったWi-Fiテザリングができる(はず)。一方のiOS機(iPhone/ iPad共通)では、Wi-Fi接続をしていても、テザリング子機が接続されるとLTEないし3G回線に切り替えられてしまう。

この仕様のおかげで、iOS機ではテザリングを常時オンにして放置する気になれない。
たとえば、メインスマホの他に、音楽プレーヤー代わりに使っている小型のAndroid端末(子機とする)があるとする。この子機では、端末の保存されたものだけでなく、SpotifyやらYouTubeやらも使って音楽を聴く。子機にはSIMカードは挿しておらず、メインスマホからのテザリングで済ませている。…という状況を仮定する。
もしメイン機がAndroidスマホだったら、こちらにだけ自宅や職場、学校等のWi-Fiの接続設定をしておけば、子機はメイン機とのBluetoothテザリングを経由してWi-Fi接続を利用できる。一方、メイン機がiOS端末だった場合、こちらがWi-Fi接続をしていても、子機が繋がるとモバイル回線に切り替えられてしまう。
実際は子機もWi-Fi設定をすればいいだけの話で、なんとかなるといえばなるのだけれど、めんどくさがりの自分としては、Androidのこのあたりの柔軟な挙動に惹かれる。

そんなこんなで、iOSのテザリング周りは、Androidと比べて切り替えが面倒なのもあって、イマイチ信用していない。慣れの問題なんだろうか。Instant Hotspot は割と便利そうだけど。


実のところ、iPhoneのハードウェア面は割と好み(なモデルが多い)。iPhone 5cに至っては2回も購入していて、今まで見たスマートフォンでもかなり自分の手に合った大きさで、質感も好み。あと、iPhone 7の(Product)REDはすごく好きな赤で、あれにAndroidが搭載されていたら愛機になっていた。


惜しいなあ。