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低遅延Bluetoothオーディオ沼に片足を突っ込む。

当初の予定よりもいろいろ書き連ねてしまったので、とりあえず数行でまとめる。

- Nintendo SwitchをBluetoothイヤホンで使いたくなった。
- 低遅延なBluetooth送信機を購入した。
- 無線で遊べるのは嬉しいが、イヤホンが低遅延な規格に対応していない。
- いろいろ買い足したら低遅延な送受信環境が整ってきた。

こんな感じ。知らないことばかりだったので勉強になった。

Bluetoothオーディオに、aptXというコーデックがある。以前はapt-Xという表記だったらしい。標準的なSBCという規格と比較して、低遅延で高音質な音声が送受信できるとのこと。
そこから分岐した2つの規格が、aptX Low Latency (あるいはaptX LL)と、aptX HD。ヤドンがヤドランかヤドキングに分岐進化するようなものだと認識している たとえがわかりづらい。それなりに低遅延で高音質なaptXが低遅延な方向に進化したのがaptX LL、高音質な方向に進化したのがaptX HD。

ことの始まりは、Nintendo SwitchでBluetoothで音楽を飛ばしたいという欲求。
SwitchはBluetooth自体には対応していて、Joy-Conなんかはそれを使っている。しかし、今のところ本体内蔵のBluetoothを使った音声送信はできない。
ところが、2017年10月の本体更新であるver. 4.0.0以降でUSB関連が強化された。そのおかげで、SwitchがWiiU用のタップを介してGCコントローラに対応したり、USBオーディオに対応したりした。そこでCreativeのBT-W2というドライバ不要のUSBのBluetoothドングルを使うことで、ドングルとペアリングしたBluetooth機器で音声の受信が可能になる。という情報をこちらのブログ記事から得た。

この記事を読んでもう少し調べたところ、PS4向けのワイヤレスヘッドホンもSwitchで使えることがわかった。こちらはBluetoothではなく、2.4GHzの専用ドングルを使用するらしい。良さそうではあったけど、もうちょっと汎用性がある方が楽しいかもしれないと思ってやめた。ひょっとするとヘッドホン沼に落ちるかもしれないし。

次に見つけたのは、ウェアラブルスピーカー。肩に乗せるスピーカーなんてあるかな、ないだろうな、と思って検索したら見つかって驚いた。どうやら最近注目を浴びつつあるらしい。全く知らなかった。
SonyのSRS-WS1は専用アダプタ、BoseのSoundwear Companion SpeakerはBluetoothでの接続らしい。あと、廃番みたいだけどLGからも出ている様子。2万円くらいはするようで、モノはいいんだろうなと思いつつ保留。

それから、スペックで殴ったようなNew Bee NB-10というヘッドホンも見つけた。aptX LL、NFC、おくだけ充電に対応しているらしい。おくだけ充電という名称はドコモの商標じゃなかったっけ。こちらも2万円くらいするので躊躇したのと、スペックお化けなのがむしろ不安に感じて、とりあえずパス。

ところで、オーディオ関連に造詣が深い方が書かれている、オモロダイブというブログがある。自分はオーディオ周りは詳しくないし特にこだわりはないけれど、読んでいて楽しいのでちょくちょくお邪魔している。さっきの記事にあったBluetoothドングルはこのブログでも紹介されていたな、と思い出した。

このBT-W2というドングル、ニッチな製品ということもあり、普段は日米ともに4000円程度で売られている。ふとebayでRefurbished、要は整備品が25ドルで売られているのを見つけ、気づいたら手元に届いていた。

手始めに、手元にある唯一のBluetoothイヤホンであるGear IconXで試してみた。これで無線で遊べる、と喜ぼうとしたのに、少なくとも体感できる程度には遅延がひどい。これでは快適には遊べない。このイヤホンのコーデックを確認してみると、なるほどSBCのみに対応しているらしい。ちなみに、現在販売されているほぼすべての完全ワイヤレスイヤホンはaptXには対応していない様子。その上位コーデックであるaptX LLは言わずもがな。
普通のBluetoothイヤホンの場合は、aptXに対応しているものは2000円台くらいから見つかる。Low Latencyまで対応しているものはほとんどなさそう。

左様か、と思って唸っていると、おもしろいものを見つけた。Avantreeという会社のRoxa PlusというACアダプタタイプのBluetooth受信機、aptX LLに対応で1AのUSBポートがついている。Amazon.comでは30ドル弱で売っているけれど、軽く探した限りでは日本のAmazonでは扱っていない様子。
これが、以前1000円ちょっとで購入したLogicoolのZ120BWとの相性が抜群だと直感した。このスピーカーは日本のAmazonでスピーカーと検索したら一番上に出てくる。Z120BWはUSBポートで電源を取るので、Roxa Plusと組み合わせれば5000円程度でaptX LLに対応したBluetoothスピーカーが完成する。 5000円出せばそれなりのBluetoothスピーカーが買えそうだけど気にしない。あと単純にものぐさなのでaptX LL対応スピーカーを探す気にならなかった 好きなスピーカーと組み合わせて使えるのが魅力。

そんなこんなでRoxa Plusを買ったけれど、件のスピーカーは日本に置いてきたので試せない。とりあえず有線イヤホンをつないで検証してみたところ、予想以上に遅延が感じられない。少なくとも自分には体感できず、ゲームもいつもの感覚で遊べそう。びっくりした。

これにて一件落着、と言いたいけれど、よく考えると根本的な問題が解決していない。当初の目的は、Nintendo SwitchをBluetoothイヤホンで快適に遊ぶこと。購入したのはBluetoothに対応したUSBドングルと、スピーカーに接続して低遅延Bluetoothに対応させるACアダプタ。この2つではBluetoothイヤホンでは遊べない。厳密には使えるけど自分が常にコンセントの近くにいる必要があり、どう考えても滑稽。
というわけで、aptX LLに対応したBluetooth受信機も買った。ebayで適当に探した安いやつ。こいつに任意の有線イヤホンやヘッドホンを接続して無線化する、もちろんスピーカーでも可能。

冷静に考えるとこれがあればRoxa Plusはいらないような気もするけど、Roxa Plusは例のスピーカー専用、こちらは汎用ということにする。つなぎ替えるのを手間と感じる横着者なので。
ちなみにこの受信機はまだ届いてないけど、たぶん気に入るんだろう。

こんな感じで、順調にaptX LLに対応した環境が整ってきた。汎用性を高めるために、送信機やら受信機やらを買ってるのがポイント。コーデックに対応しているだけの安価なヘッドホンとかではないので、万一将来的に音質にこだわり始めたとしても対応できる。現状そんな都合のいい製品はないけど。

ところでNintendo Switchのためだけに環境を整えたように書いたけれど、実際は手元の電子機器のBluetoothオーディオ環境がおみくじ状態なので、その改善を図りたいという目的もあったりする。手元にAndroidスマホとiOSタブレットとWindowsパソコンを転がした状態でGear IconXの蓋を開けると、どれにつながるかわからない現状がちょっと不満だった。マルチペアリングに対応したワイヤレスイヤホンは便利だけど、そのあたりが不便だと思ったり思わなかったり。

そんな感じ。